坂本龍馬と中岡慎太郎の身分を比較|郷士と庄屋層はどう違う?

坂本龍馬と中岡慎太郎の身分の違いをテーマに、郷士と庄屋の立場を比較して解説する記事のアイキャッチ画像。

坂本龍馬と中岡慎太郎。

どちらも土佐藩では、身分の高い人ではありません。
でも、同じ「下の立場」に見えても、その位置づけはかなり違います。

龍馬は、軽格とも呼ばれる下級武士の階層に属する郷士。
一方の慎太郎は、武士ではなく、大庄屋の家に生まれた庄屋層でした。

どちらも土佐藩の厳しい身分制度の中で生きた人ではありますが、
見ていた世界も、背負っていた役目も同じではありません🐭

この記事では、
土佐ラジオ#10-1「龍馬と慎太郎の徹底比較編①」にあわせて、
二人の身分の違いを楽しく比べてみます。

🎥まずは動画で見たい方はこちら
土佐ラジオでは、龍馬と慎太郎が身分の違いについて、
仲良く?楽しく!トークしています。

では、さっそく土佐藩の身分の世界をのぞいてみましょう✊🏻

坂本龍馬と中岡慎太郎、身分はどう違う?

土佐藩の身分階層の中で坂本龍馬が下士の郷士、中岡慎太郎が庄屋に位置づけられることを解説する土佐ラジオの画面。

龍馬さんと慎太郎さんの身分の違いを考えるには、
まず土佐藩の身分制度そのものを見ておく必要があります。

土佐藩は、上士と下士(郷士)の差別がとても厳しい藩でした。

龍馬さんは下士にあたる郷士。
慎太郎さんは、その下士ですらなく、大庄屋の家に生まれた庄屋層です。

これまで徹底比較シリーズ記事で見てきた、
出身地や家族に加えて、
二人の身分も知ると、ますます違いが見えてきます。

家族構成も似て非なるものがありました。
この身分も二人とも『上士』ではないと言っても、
立ち位置の差は大きいものです。

では上士とは何か?
郷士と庄屋はどう違うのでしょうか?

まずは、土佐藩の身分制度から知っておきましょう🐭💡

江戸時代は藩によってずいぶん空気が違いますが、
土佐藩ほど厳しい身分差は、他藩ではなかなか聞かないレベルです…!

土佐藩の上士と郷士には厳しい差があった

土佐藩の身分階層を上士と下士に分け、家老から郷士・庄屋までの構造を一覧で示した図解。

土佐藩では、上士と下士(郷士)の差がとても厳しく、
これは幕末まで長く続いていました。

その背景にあるのが、
戦国時代から続く山内家と長宗我部家の歴史です。

関ヶ原の戦いのあと、土佐には山内家が入国しました。
そして、それまで土佐を治めていた長宗我部家に連なる人々は、
のちに郷士などの立場に置かれていきます。

つまり土佐藩では、同じ藩士の中でも、
山内家に属する上士と、
長宗我部系の流れをくむ郷士とのあいだに、
強い隔たりがあったんですね。

しかもこの差、かなり厳しい。

たとえば上士と郷士が道で出会えば、
郷士は道の端によけて頭を下げる。

上士の住む郭中には自由に出入りできず、
日常のふるまいにも細かい差がありました。

雨の城下町を背景に、「城下へ住むな・傘もさすな・乗馬も駕籠も郷士は厳禁」という文字が重なり、傘を差す上士風の影を睨む慎太郎と、悲しそうに笑う龍馬を描いた歌動画の一場面。

このあたりの理不尽さは歴史うたにもしています👇

歌詞にもあった「郷士は傘をさすな」の件は、
日傘のことだったそうです。

思い切り雨傘かと思った…赤恥……😇
それが土佐ラジオの第一回の内容です!笑

🎥土佐藩の身分差や「傘も差すな」の話は、
土佐ラジオ#1でこんな感じで話しています👇

こういう厳しい土佐藩の中で、
龍馬さんは郷士として、慎太郎さんは庄屋層として生きていました。

次は、その二人がそれぞれどんな立場だったのかを詳しく見ていきましょう!

●中岡慎太郎は武士ではなく、大庄屋の家に生まれた

中岡慎太郎が庄屋の家に生まれた背景や身分の違いを比較して解説する土佐ラジオの画面。

慎太郎さんは、龍馬さんのような郷士ではありません。
大庄屋の家に生まれた庄屋層で、武士の家ではなかったのです。
でも、だからといって立場が軽かったわけでもありません。

庄屋は、村の農民たちを直接治める立場にありました。

その中でも大庄屋は、郷全体を支える責任ある存在です。
庄屋層は、役柄によって苗字帯刀を許される立場でもありました。

つまり慎太郎さんは、上士でも郷士でもない。
けれど、民の暮らしといちばん近い場所で、
郷を支える家に生まれた人だったんですね。

──この立場、慎太郎さんを考える上でかなり重要です。

慎太郎さんは、地震や飢饉に苦しむ民の姿や、
郷のために働く父の背中を見て育ちました。

武士の論理や城下の常識よりも、
まず目の前の人々の暮らしに触れる場所にいた。
それは、慎太郎さんの人間性に深く関わっていたことでしょう。

実際、慎太郎さんは父に代わって郷を治める仕事にも関わり、
さまざまな経験を積んでいきます。

ゆずの栽培奨励や飢饉への備えなど、
郷を守るための現実的な仕事に触れていたことも、
のちの慎太郎さんの視野の広さにつながっていったと感じます。

天保庄屋同盟と勤王意識

さらに土佐では、天保庄屋同盟というものが結ばれました。
慎太郎さんが生まれた天保のころの話で、
ちょうどお父さんの代の出来事でもあります。

注目したいのは、この談話条々に
「庄屋は元来天皇から授けられた貴い職である」と記されていることです。

庄屋という立場への誇りは、慎太郎さんのような
庄屋出身の志士たちの勤王意識の原点のひとつだったと言われています。

それを示すように「土佐勤王党」には郷士だけでなく、
庄屋層の人々も多く名を連ねていました。

慎太郎さんの志というものは、
ただ本で学んだ理想だけでできたものではないんですよね……🔥

郷を預かる家に生まれ、
民の暮らしに近い場所で育ったからこそ生まれた志でもある。

国と「民」のために尽くす。
上から目線じゃない。
民と同じ目線で動こうとする。

私はそこが、慎太郎さんの魅力だと思います🐭🔥

●坂本龍馬は郷士、でも商家の分家でもあった

坂本龍馬が郷士で商家の分家として比較的裕福だったことや生活環境を補足する土佐ラジオの画面。

一方の龍馬さんは、郷士の家に生まれました。
慎太郎さんのような庄屋層ではなく、士分の側にいた人です。

ただし、こちらも一筋縄ではいきません。

坂本家は、もともと才谷村の百姓身分から出発した家でした。
その後、豪農・豪商として力をつけ、
才谷屋という屋号の商家として発展していきます。

そして、龍馬さんが生まれるおよそ百年前の明和7年(1770年)
郷士株を買い、郷士坂本家が分かれました。

つまり龍馬さんの家は、最初から代々の武士だったわけではなく、
商家としての流れを引きながら、郷士になった家でもあったんですね。

龍馬さんの父・直足は、
その郷士坂本家の三代目にあたります。

しかも坂本家は、
柴巻などに領地約百六十二石、禄十石五斗を持ち、
領地からの収入も得ていました。

このシリーズの「生まれた場所」でも紹介した通り、
龍馬さんの家は広くて大きくて立派!

郷士というと、貧しい下級武士というイメージがありました。
でも坂本家は、そのイメージとはかなり違う家だったことが分かります。

私はここ、龍馬さんを考える上でかなり大事だと思っています🐭

というのも、龍馬さんって、
単なる「郷士の志士」というだけではなく、
お金や流通、仕組みを動かすことにも強い関心を持っていた感じがありますよね。

のちの社中や海援隊の動きを見ても、商売や経済の感覚がかなりある。
慶応三年には、土佐藩家老の後藤象二郎へ、
財政や通貨のことまで視野に入れた提案もしています。

もちろん、龍馬さん自身は商人ではありません。

でも、先祖代々百姓から豪農・豪商へ、
さらに郷士へと上がってきた坂本家の空気は、
龍馬さんの発想や行動にも少なからず影響していたのではないでしょうか。

こうして見ると、龍馬さんは単に「土佐の郷士」だっただけではない。
武士の立場と、商家的な柔らかさの両方を持つ家に生まれた人だったんだなと思います。

同じ土佐でも、龍馬と慎太郎の立場はかなり違った

坂本龍馬と中岡慎太郎。
どちらも土佐藩での身分は高くありませんでしたが、
その立ち位置はかなり違っていました。

龍馬さんは、厳しい身分差別を受ける郷士でありながら、
商家の流れも引く家に生まれた人。

一方の慎太郎さんは、武士ではない庄屋層として、
民の暮らしにいちばん近い場所から世の中を見ていた人でした。

同じ「下の位」でも、
龍馬さんは武士としての窮屈さと商家的な柔らかさをあわせ持ち、
慎太郎さんは郷を支える責任と民に近い視点を持っていました。

私は、こういう原点の違いを知るたびに、
龍馬さんの発想の自由さや、
慎太郎さんのまっすぐさ、面倒見のよさが、
「なるほど、ここから来ているのか」と
少しずつ見えてくるのが嬉しいんです🐭

二人が、ますます歴史の中の人じゃなく、
目の前にいるように感じられるんですよね。

そして私はやっぱり、 土佐の中でこんなに違う二人が、
のちに出会って同じ時代を動かしていくところが、たまらなく好きです。

さて!! 次回の記事は比較表のラスト! 身長です🐭

坂本龍馬と中岡慎太郎の身長比較にツッコミを入れる中岡慎太郎|土佐ラジオ比較解説シーン

この2人ったら、 身長も真逆(!?)で面白いんですよ😆

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